人事担当者が社労士資格を取得すると得られる2つのメリット②

開業社労士と勤務社労士の違い

※正確な表現としては、「開業会員の社会保険労務士」と「勤務会員の社会保険労務士」となりますが、当ブログでは読みやすさを優先し、それぞれ「開業社労士」・「勤務社労士」と表現します。

二つ目のメリットは、「長年所属している自分の会社のルールや制度・人間関係まで精通している、という自社の社員としての強みに、人事労務の専門家としての社会保険労務士の強みを掛け合わせることで、人事担当者としてのレベルを上げることができる」ということです。

開業社労士は、単発の労務相談や助成金申請などの継続性がない、いわゆる「スポット業務」と呼ばれるものや、継続性のある「顧問業務」などで収入を得ています。

後者の「顧問業務」の内容としては、労務トラブルが発生した場合に相談にのる程度、裏を返せば何もトラブルが起きなければ特に何も業務を行わないレベルの契約から、就業規則の作成・改定を請け負ったり、毎月の勤怠管理・給与計算・各種公的保険手続を代行したり、顧問先の社員に対しセミナーを開催したりと、顧問先企業の人事労務に関すること全般を担当するような契約まで様々あります。

開業社労士が「どこか一社のみ」を担当しているケースはほとんどなく、通常は複数の企業を顧問先として担当しています。

その一方で、勤務社労士は、企業の社員が社会保険労務士の資格を得て所属企業専属の社会保険労務士として登録し、所属企業の人事労務、公的保険等の業務を行います。

勤務社労士の強みとは

企業の人事担当者の多くは、若い頃にその企業の現場を経験し、あるタイミングで人事へ異動となり…という方が多いのではないかと思います。

そのような方は、現場で働いていた頃に自社の人事上の課題を身をもって感じていたり、人事側に立って会社の視点から人事上の課題を考察したり、と、自分の所属企業の人事上の課題点・問題点を外部のどの人間よりも肌を持って感じています。

また、その企業の歴史や沿革、社風なども知り尽くしていることでしょう。

しかし、人事担当者として日々の業務をこなしているだけでは、その業務のレベルまでしか成長することはできません。

そのような方が社会保険労務士の試験に合格し、プロフェッショナルレベルの知識を身につければ、「所属企業の社員」という立場と「労務・社会保険のプロフェッショナル」としての立場の相乗効果で、通常のの人事担当者よりも、コンプライアンスに則ったうえで、より会社の実情に合った対応をすることができます。

企業にとってこれほど心強い人材はいないのではないでしょうか。

私が過去にかかわりがあった、弁護士や開業社労士の先生で、法律の内容ばかり画一的に押し付ける先生がいました。

でも企業や人事担当が望んでいることは、その法律の内容を、自社の業種・業態や経営状況、企業の発展段階などをすべて考慮したうえで、なじみやすい・溶け込みやすい形にして就業規則なり社内ルールなどに落とすこと…なのです。

勤務社労士はまさにそのような対応ができる社内のスペシャリストなのです。

勤務社労士が、開業社労士や弁護士とタッグを組めば最強!

とはいえ、やはり、社労士に関する業務以外の、会社員としての一般業務を主として行っている勤務社労士は、様々な案件を解決されてきた経験やスキルをお持ちの開業社労士・弁護士の先生方には、どうしても及ばないことが多いです。

また、判断や対応を誤ると最悪訴訟まで発展する可能性を含んでいるような案件を解決するためには、勤務社労士だけで対応するのではなく、企業が契約している顧問社労士・顧問弁護士の先生にも相談するべきです。

何もプロフェッショナルだからと言って、誰の手も借りず一人で何でも解決しようとする必要はありません。

「自分の知識や経験だけでどんな問題でも解決できる」と慢心してはいけないのです。

一番大切なことは、「適切に課題・問題を解決すること」で

外部の開業社労士・弁護士の先生と、自分が所属している企業が顧問契約を結んでいるようであれば、タッグを組んで課題・問題解決に当たりましょう。

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