そもそも労働法とは?

労働に関する法律の総称=「労働法」

ちまたには、「労働法」という言葉がいたるところに使われています。

しかし、「労働法」という法律そのものは存在しません。

労働に関する法律の総称として「労働法」という言葉が使われています。

労働の当事者は、主に「使用者(社長)」と「労働者(社員)」となりますが、契約当事者が基本的に対等な関係にある一般的な契約当事者とは異なり、「使用者 > 労働者」という力関係になるのが当然です。

過去の歴史が証明しているように、力を持っている者と力を持っていない者の間には、トラブルが生じやすいです。

そのトラブルを未然に防ぐ・解決する法律の総称が「労働法」となります。

労働に関する法律は、数え切れないほどたくさんありますが、ここで主だったものをカテゴリー分けして整理します。

1.労働条件の基準を定める法律

・労働基準法
・最低賃金法
・労働安全衛生法 など

2.生存権を保障する法律

・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・健康保険法
・厚生年金保険法  など

3.労働者の権利・義務を保障する法律

・職業安定法
・労働者派遣法  など

4.法の下の平等に関する法律

・男女雇用機会均等法  など

5.労働者の団結に関する法律

・労働組合法  など

まだまだ書ききれない法律がたくさんありますが、ある法律を勉強するときや実務で使う際には、「その法律は何の目的で制定されたのか」という点を押さえておくことが大切です。

たいていの法律は、第1条が「目的条文」となっていて、その法律の制定目的が規定されていますので、まずは「第1条をしっかり読む!」ということを心がけると良いと思います(余談ですが、社会保険労務士試験でも「目的条文」はたびたび出題されます)

労働基準法等の位置づけ

「労働法」の中でも中心的な法律は、やはり「労働基準法」になります。

「基準」という言葉が使われていることからも、あらゆる労働条件等の「基準」が規定されていますので、人事担当者や管理職など、社員管理が役割の方はもちろん、働く社会人全員がしっかりと学び、理解する必要がある法律であると考えます。

ちなみに、働く際のルールには、労働基準法の他にも、就業規則や、各人ごとの雇用契約などがあります。

それらには、いわゆる「上下関係」があり、下のルールは上のルールに逆らうことができませんので、しっかりとおさえておきましょう。

1.憲法 … 第25条(生存権)・第27条(勤労の権利)

2.判例・法理 … 法がカバーできない項目の判断基準

3.労働基準法

4.労働協約 … 会社と労働組合との間で締結

5.就業規則 … 会社が一方的に作成

6.労働契約 … 会社と個々の労働者との間で締結

一般的に上記のような優先順位となっています。

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