定期健康診断は「実施するだけ」で終わっていませんか?事後措置まで含めた会社の対応ポイント

毎年この時期になると、健康診断の予約や日程調整で総務担当の方からご相談をいただく機会が増えます。多くの会社では、すでに定期健康診断そのものは実施されていると思います。ただ、実際に結果が出た後の対応については、どこまでやればいいのか曖昧なまま済ませているケースを見かけます。

今回は、定期健康診断の実施義務の基本を振り返りながら、結果が出た後にどう動くべきか、産業医とどう連携すればよいのかという点を整理していきます。

定期健康診断は会社の義務

労働安全衛生法では、常時使用する労働者に対して年1回の定期健康診断を実施することが会社に義務付けられています。パートやアルバイトであっても、契約期間や週の労働時間といった一定の条件を満たす場合は対象になりますので、「正社員だけ受けてもらえばいい」という認識は見直しておく必要があります。

健診の費用についても、法律で義務付けられている項目に関しては会社が負担するのが原則です。ここまでは比較的知られている部分かと思います。

問題になりやすいのは「事後措置」

健康診断を実施した後、結果を本人に通知して終わり、というケースが少なくありません。しかし法律上求められているのは、その先の対応です。

具体的には、健診結果に異常の所見があった従業員について、医師から意見を聴き、必要があれば就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮といった措置を検討することが求められます。この「医師の意見を聴く」というステップを省略してしまうと、後になって長時間労働や過重な業務が原因で健康被害が発生した際に、会社側の対応の不十分さを指摘される可能性が出てきます。

加えて、健診結果は5年間の保存義務がありますし、一定規模以上の事業場では結果を労働基準監督署へ報告する必要もあります。日々の業務に追われていると、こうした手続きが後回しになりがちですが、ここを丁寧に行っているかどうかで、いざ何かトラブルが起きたときの会社の姿勢の見え方が変わってきます。

産業医をどう活用するか

事後措置を考える際にカギとなるのが産業医です。50人以上の事業場では産業医の選任が義務付けられていますが、選任しているだけで実際の業務にほとんど関わってもらっていない、という声もよく耳にします。

健診結果で要注意とされた従業員について、産業医に意見を求めることは、会社にとっての安全配慮義務を果たすうえで欠かせないプロセスです。産業医面談を経て「今のままで問題ない」という判断であれば、それも記録として残しておくことで、後々の説明材料になります。逆に「業務の調整が必要」という意見が出た場合は、本人の了解を得たうえで配置や業務内容の見直しに進めていくことになります。

ここで注意したいのは、本人のプライバシーへの配慮です。健診結果や産業医の意見は機微な個人情報にあたりますので、関係者以外に共有しない、保管方法を限定するといった社内ルールも一緒に整えておくと安心です。

まとめ

定期健康診断は、実施して結果を渡すところがゴールではありません。異常所見への対応、産業医との連携、記録の保存といった一連の流れが揃って、初めて法律が求める対応になります。

「健診結果が出た後、どう対応すればいいのか分からない」「産業医との連携の仕組みを作りたい」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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